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谷根千:雑誌になった街 · 7

銭湯がギャラリーになるまで

第7話 · 再生建築、五つの都市の同じ文法

FitTrip編集部 · 2026.07.18

谷根千の現在の層は古い建物の再利用として現れる。かつての銭湯「柏湯」を1993年に改装して開いた現代美術ギャラリーSCAI THE BATHHOUSE、築60年超の木造アパートを取り壊しの危機から救い文化複合空間に蘇らせたHAGISO(最小文化複合施設)、1916年頃の木造建築でミルクホールとして始まりいまも営むカヤバ珈琲が代表だ。草梁の旧病院、レッドフックの鉄工所、クラーケンウェルの屋根裏のように — 壊して建て直す代わりに使い道を変えて生き残る文法の、東京版である。

谷根千を歩いていると、古い建物の扉の前でつい足を止めてしまう。銭湯だったギャラリー、アパートだったカフェ、100年の喫茶店 — この街の現在の層は、ガラスと鉄骨ではなく「直して使う」として現れる。

銭湯の美術館

SCAI THE BATHHOUSEは、かつての銭湯「柏湯」の建物を1993年に改装して開いた現代美術ギャラリーだ 事実。銭湯の高い天井と骨組みをそのまま活かした空間に、いまは現代美術が掛かる — 体を洗う場所が目を洗う場所になったわけだ 推定。数歩先、HAGISOは築60年超の木造アパートを取り壊しの危機から救い、カフェ・ギャラリー・イベント空間に蘇らせた「最小文化複合施設」だ 事実。そして1916年頃の木造建築のカヤバ珈琲は、ミルクホールから始まり100年超この場所を守ってきた 事実(営業時間は訪問前に確認 未確認)。

五つの都市の同じ一文

草梁の旧百済病院がカフェになり、レッドフックの鉄工所がアートセンターになり、クラーケンウェルの時計職人の屋根裏をデザイナーが受け継いだこと — 谷根千の再生建築はその一文の東京版だ 推定。壊して建て直す代わりに使い道を変えて生き残ること。五つの都市が互いを知らぬまま同じ文法を使っているという事実こそ、この旅先シリーズが発見し続けてきたものだ。そして第9話で見るように — この「直して使う」がいつまで可能かが、いまの谷根千の問いである。

よくある質問

SCAI THE BATHHOUSEとは?
かつての銭湯「柏湯」の建物を1993年に改装して開いた現代美術ギャラリーです。銭湯の高い天井と骨組みを活かした空間で現代美術の展示が開かれます。展示替え期間の休館があるので訪問前の確認をおすすめします。
HAGISOとは?
築60年超の木造アパートを取り壊しの危機から救い蘇らせた「最小文化複合施設」で、カフェ・ギャラリー・イベント空間が一つの建物に入っています。古い木造を壊す代わりに直して使った再生建築の象徴的な例です。
カヤバ珈琲は?
1916年頃に建てられた木造建築でミルクホール・菓子店として始まり、1938年に珈琲店になった老舗喫茶店です。一度閉店して蘇り、いまも営み、この街の再生文化の古い軸です(営業時間は訪問前に確認)。

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