新世界を昼だけ見て帰った人と夜だけ見て帰った人は、別々の街の話をする。どちらも正しい。
二つの表情
昼の新世界は、通天閣を見に来た人々の動線が中心の観光地だ 推定。日が暮れると看板のネオンが灯り、路地が歓楽街の顔に変わる 推定。第6話のジャンジャン横丁と第7話の串カツ店が本来のリズムを取り戻すのもこの時間帯である 推定。第1話で夕暮れをまたげと述べた理由がこれだ。
展望台の二つの時代
通天閣の展望台からは大阪市内を見下ろすことができる 推定。ところがこの展望台が本当に興味深い理由は眺望ではなく組み合わせだ — ここには第4話で見たビリケンがいる 事実。1912年のルナパークで始まった像が1956年に再建された塔(第5話)のなかに座っている構造だから、このひとつのフロアにこの街の二つの時代が重なっていることになる 推定。
夜の礼儀
夜の路地には守るべきことがある。幅が狭く人が多いので持ち物の管理に気を配るのがよく 推定、店の前で長く立ち止まって通路を塞がないことが基本だ 推定。写真を撮るとき、店の奥や客を正面から収めないことも同様である。
そして南
ただしこの街の夜を見たあと、もうひとつ知っておくべきことがある。新世界のすぐ南には性格のまったく違う街が接しており、いまこの一帯で最も重要な問いはそこから出てくる 推定。次の話でその地理から整理する。