迪化街を初めて歩くと、たいてい一階しか見ない。乾物と薬材が目の高さに積まれているからだ。この通りをきちんと読む方法はひとつ — 顔を上げることである。
ファサードに書かれた年表
迪化街には福建・閩南式の家屋と倉庫、そして西洋式の店舗ファサードが共に残る 事実。とりわけ目を引くのは、茶貿易で富が集まった時期に建てられた華やかなバロック風装飾ファサードだ — 第3話で見た輸出好況の金が壁へ上がった結果である 推定。その隣には装飾を削ぎ落とした簡潔な近代商家が立つ。一本の通りを歩くあいだに世紀が変わる。
狭くて深い家
平面もこの通りの条件から生まれた。迪化街の商家は間口が狭く奥へ長く入る街屋形式で、前は店、奥は作業と保管と住居へ続き、幾重にも分かれる 事実。埠頭で受けた荷を通りの奥へ押し込む商業構造がそのまま建築になったのだ(第2話) 推定。再生空間として開放された建物に入れば、この奥行きを体で感じられる(第7話)。
読む要領
実戦の要領は単純だ。一階の看板は今日の業種を語り、二階以上のファサードは建った時代を語る 推定。だから同じ建物で下は漢方薬店、上は1920年代の装飾という組み合わせがよくある。このずれこそが大稻埕が剥製にされていない証拠だ — 古い建物がいまの商売を担い続けているという意味だからである。